電験3種の試験概要【2025年版】

電験3種(第3種電気主任技術者試験)は、電気の専門知識を問う国家試験です。この資格を取得することで、ビルや工場の電気設備を管理する「電気主任技術者」として働くことが可能になります。難易度は高めですが、計画的に勉強すれば誰でも合格を目指せます!

この記事では、試験の概要や試験方式、必要な勉強時間についてまとめています。

目次

試験の基本情報

試験日例年7~8月と2~3月に実施される。

【2024年度下期試験日】
筆記方式:2025年3月23日
CBT方式:2025年2月6日~3月2日

【2025年度上期試験日】
筆記方式:2025年8月31日
CBT方式:2025年7月17日~8月10日

【2025年度下期試験日】
筆記方式:2026年3月22日
CBT方式:2025年2月5日~3月1日
試験科目・時間理論: 9時15分~10時45分(90分間)
電力:11時25分~12時55分(90分間)
機械:14時15分~15時45分(90分間)
法規:16時25分~17時30分(法規のみ65分間)
※理論・電力・機械・法規の4科目
※以上は筆記試験の時間
※CBT方式は予約した時間に開始
合格点各科目60点以上で合格(100点満点中)
※難易度によっては点数調整が入る。ただし60点以上にはならない。
試験地47都道府県
受験資格特になし・誰でも受験可
試験方式各問題ごとに5個の選択肢から1つを選ぶ選択式試験
出題範囲電気理論・発電所・パワエレ・電気機器・電気法規など幅広く問われる
受験料7,700円
備考※筆記方式とCBT方式が選択できる。2022年度から年2回の試験になった。
※CBT試験は科目ごとに試験日を選択可能
※電卓使用可(関数電卓は不可)
※科目合格制度がある

試験科目と特徴

理論

電気の基礎となる科目で、電気回路や電磁気学が中心です。

  • 学ぶ内容:オームの法則、キルヒホッフの法則、電気回路図など。
  • ポイント:意味を理解して計算問題に慣れることが重要。最初に取り組むのがおすすめ。

電力

発電・送電・配電に関する内容が中心です。

  • 学ぶ内容:火力発電、変電所の機器、配電方式など。
  • ポイント:暗記が必要な部分も多い。計算と暗記が半々。

機械

電動機や発電機、電気設備の知識が問われます。

  • 学ぶ内容:直流機、誘導機、変圧器、半導体など。
  • ポイント:苦手な人が多い。機器の構成をイメージできないとかなり難しい。

法規

電気に関する法律や安全基準を学びます。

  • 学ぶ内容:電気事業法、電気設備技術基準など。
  • ポイント:暗記中心。ただし計算問題も出る。暗記ばかりではなく計算問題対策も忘れずに。

科目合格制度

電験3種には「科目合格制度」があります。一度合格した科目は3年間免除になります。
つまり電験3種は年2回の試験ですので、↓の図のように連続で5回の試験まで免除となります。

科目合格制度の一例

免除期間が終了した科目は再度受験をして、合格をしなくてはいけません。
ある科目に合格したら、別の科目の免除期間が終了する。そしてこれを繰り返すのが俗に言う電験ループです。以前は年1回の試験でしたので、チャンスは2回しかありませんでした。
しかし年2回の試験になってからは、図のように5回のチャンスがあります。以前よりだいぶ取得しやすくなりました。

CBT試験について

電験3種では筆記とCBT方式の2種類を選べます。CBT方式は全国各地にある会場のコンピュータを利用した試験です。CBT方式には以下の特徴があります。

  1. 試験日時を自由に選択できる。
    試験期間内であれば日時を自由に選択できます。ただし予約枠には限りがあるので早いもの勝ちです。
  2. 試験会場も自由に選択できる。
    CBT試験を実施する会場が全国各地にあり、その中から自由に会場を選べます。
  3. 試験終了後に得点がすぐ表示される。
    CBT試験ではコンピュータを使って解答をしていきます。そのため試験が終わればすぐに得点が表示されます。電験3種は60点以上を取れば確実に合格なので、試験結果がすぐに分かります。
  4. 1回1科目から受験可能。
    CBTの場合、1回1科目から受験可能です。つまり1日に1科目ずつ、4回に分けて受験するなども可能です。

筆記とCBTの違い

筆記とCBT方式の違いは以下です。

CBT試験筆記試験
試験形式コンピュータを使用して解答紙とペンを使って解答
会場全国の指定のCBT会場指定の試験会場
試験日時の選択自由に選べる(期間内で)決められた日時に受験
結果確認試験後すぐに分かる数週間後に確認できる
柔軟性受験者の都合で決められる受験者が指定された日時に合わせる

CBT試験のメリットとデメリット

メリット

  1. スケジュールの柔軟性
    自分の都合に合わせて試験日や会場を選べるため、仕事や学業との両立がしやすい。
  2. 即時結果確認
    試験後すぐに得点を確認できるため、次の試験準備や行動計画が迅速に進められる。
  3. 移動コストの軽減
    全国のCBT会場から近い場所を選べるため、移動の負担が少ない。
  4. システム補助
    試験中に特定の問題をスキップして後から戻るなど、システムの利便性が活用できる。

デメリット

  1. コンピュータ操作の必要性
    パソコン操作が苦手な受験者にはハードルとなる可能性がある。
  2. 会場の選択肢
    会場によっては予約が取りにくい場合があり、希望の日時や場所が埋まる可能性がある。
  3. 慣れの差
    従来の筆記試験に慣れている受験者にとっては、画面で問題を読む形式に違和感を覚える可能性がある。

筆記試験のメリットとデメリット

メリット

  1. 従来型の安心感
    紙ベースの試験に慣れている受験者にとって、従来通りの形式で安心して受験できる。
  2. シンプルな形式
    コンピュータ操作が必要ないため、システムに依存せず試験に集中できる。
  3. 記述式問題への対応
    筆記試験では記述式問題の表現自由度が高い場合がある。

デメリット

  1. 固定された日程
    試験日が指定されており、都合が合わない場合でも調整が必要。
  2. 結果通知の遅さ
    試験結果が通知されるまで数週間以上かかることが多い。
  3. 移動の負担
    試験会場が限られており、遠方の受験者は時間と交通費がかかる。

必要とされる勉強時間

電験3種の合格に必要な勉強時間は、600~1000時間が目安と言われています。ただし、個人の基礎知識や経験によって異なります。

以下に、初心者を対象としたモデルケースを示します。

  • 理論:150~250時間
    基礎となる科目のため、時間を多めに確保します。高校物理が得意な方は短縮可能です。
  • 電力:100~150時間
    実務に関連した内容が多く、比較的暗記が多めの科目です。
  • 機械:200~300時間
    内容が広く深いため、多めの時間が必要です。
  • 法規:100~150時間
    暗記が中心ですが、計算問題もあるため基礎理解も必要です。

まとめ

電験三種は、適切な学習計画と継続的な努力があれば必ず合格を目指せる試験です。自分に合った学習ペースを見つけ、1科目ずつ確実にクリアしていきましょう!この試験を通じて得た知識は、実務やキャリアアップにも大いに役立ちます。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

ぜひシェアをお願いします!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次