電験3種 各科目の解説
抵抗とインピーダンスの違い
インピーダンスとは交流回路での電流の流れにくさのことです。こう聞くと「抵抗とどう違うの?」と疑問に感じると思います。このページでは抵抗とインピーダンスの違いを解説します。
目次
直流回路では抵抗だけ考えれば良い
直流回路では電流は一定の方向に流れます。この場合、電流の流れを妨げるのは抵抗のみです。
例えば、懐中電灯の回路を考えてみましょう。電球や抵抗器が電流の流れを妨げる要素として働きます。この「流れにくさ」を数値で表したものが抵抗です。
- 抵抗(R)はオームの法則で計算できます$$R=\frac{V}{I}$$
- R:抵抗(オーム Ω)
- V:電圧(ボルト V)
- I:電流(アンペア A)
直流回路では抵抗だけを考えれば良いため、計算もシンプルです。
交流回路では抵抗+αを考えなくてはいけない
交流回路では、電流が一定方向に流れるのではなく、時間とともに方向が変化します。このような回路では、抵抗だけでなく「+α」の要素を考慮する必要があります。
交流回路ではコイルとコンデンサも電流を妨げる
この「+α」は、コイル(インダクタ)やコンデンサ(キャパシタ)が作る電流の妨げです。コイルやコンデンサが作る電流の妨げはリアクタンスといいます。特にコイルが作る電流の妨げは誘導性リアクタンスといい、コンデンサが作るのは容量性リアクタンスといいます。
リアクタンスについては次ページで詳しく解説しますので、とりあえずここではコイルやコンデンサが作る電流の妨げ=リアクタンスと理解してください。
インピーダンス=抵抗+α
インピーダンスは、抵抗に加えて、コイルとコンデンサが作るリアクタンスを含む値です。インピーダンスの計算式は以下の通りです。$$Z=\sqrt{R^2 + (X_L – X_C)^2}$$
- R:抵抗
- XL:コイルによるリアクタンス(誘導性リアクタンス)
- XC:コンデンサによるリアクタンス(容量性リアクタンス)
この式でわかるように、インピーダンスは「抵抗」と「コイル・コンデンサの影響」の合計です。
まとめ
- 直流回路では抵抗のみを考えればOK。
- 交流回路では、抵抗に加え、コイルとコンデンサの影響を考える必要がある。
- インピーダンス=抵抗+コイルとコンデンサによる流れにくさ(リアクタンス)。
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