リアクタンスとは?

リアクタンスとは、交流回路においてコイルやコンデンサが作る抵抗のようなものです。交流回路ではコイルやコンデンサが電流に対して抵抗のように電流を妨げる働きをします。

ただし、リアクタンスは抵抗とは異なり、周波数によってその大きさが変化する点が特徴です。また、コイルとコンデンサのリアクタンスは互いに打ち消し合う特性も持っています。

ここからは、リアクタンスについて詳しく見ていきましょう。

目次

コイルが作るリアクタンスは誘導性リアクタンスと呼ぶ

リアクタンスには2種類があります。そのうち一つが、コイルが作るリアクタンスです。コイルが作るリアクタンスは誘導性リアクタンスと呼びます。記号はΩで、次の式で求められます。

$$X_L=2πfL\:\:[Ω]$$

  • XL:誘導性リアクタンス
  • 交流の周波数:f
  • コイルのインダクタンス:L

周波数が高くなるほど誘導性リアクタンスは大きくなり、電流を妨げる力が強くなります。

コンデンサが作るリアクタンスは容量性リアクタンスと呼ぶ

一方コンデンサが作るリアクタンスは容量性リアクタンスと呼びます。記号は同じくΩで、次の式で求められます。

$$X_C=\frac{1}{2πfC}\:\:[Ω]$$

  • XC:容量性リアクタンス
  • 交流の周波数:f
  • コンデンサのキャパシタンス:C

周波数が高くなるほど容量性リアクタンスは小さくなり、電流を妨げる力が弱くなります。

コイルは徐々に電流を流すイメージ

コイルには、電流の変化を妨げる性質があります。たとえば、電流が増加しようとするとき、コイルはその変化を抑えようとする力(誘導電圧)を発生させます。この性質から、コイルは「電流を徐々に流す」イメージを持っています。

だから周波数が高いと誘導性リアクタンスは大きくなる

周波数が高いということは、電流が短い周期で変化することを意味します。コイルはその変化に反応して強い誘導電圧を発生させるため、周波数が高くなるほど誘導性リアクタンスは大きくなります。

コンデンサは徐々に電流を流さなくなるイメージ

一方コンデンサは、電流が流れ込むことで充電されます。充電が進むにつれて、電圧が上昇し電流が流れにくくなる性質を持っています。そのため、コンデンサは「徐々に電流を流さなくなる」イメージを持っています。

だから周波数が高いと容量性リアクタンスは小さくなる

周波数が高い場合、電圧の変化が速くなるため、コンデンサは充電・放電を頻繁に行うことになります。その結果、電流がよりスムーズに流れるようになり、容量性リアクタンスは小さくなります。

誘導性リアクタンスと容量性リアクタンスは互いに打ち消し合う

誘導性リアクタンスと容量性リアクタンスは、交流回路において互いに打ち消し合う働きをします。そのため誘導性、容量性を含めた交流回路の合成リアクタンスXは次の式で求められます。

$$X=X_L-X_C=2πfL-\frac{1}{2πfC}\:\:[Ω]$$

ちなみに抵抗と合成リアクタンスを足し合わせたものがインピーダンスです。交流回路の要素を全部ひっくるめたトータルのの電流の流れにくさは、このインピーダンスです。

まとめ

リアクタンスは、交流回路においてコイルやコンデンサが電流の流れを妨げる特性を表します。周波数によってその値が変化する点や、誘導性リアクタンスと容量性リアクタンスが互いに打ち消し合う性質が特徴的です。

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