電験三種は4科目ありますがどの科目が1番難しいのでしょうか?また近年では簡単になったとも噂されますが果たして本当なのか?
この2点について調査しました。
調査にはX(旧Twitter)でのアンケートと試験センターが公表しているデータを使いました。受験者の主観的な意見と客観的な事実の両面から分析した結果をお伝えします。
また後半では難易度から考えたおすすめの勉強の仕方もお伝えしていきます。
電験三種は簡単になった?難しくなった?
まずは合格率の推移から難易度はどう変わったかをみていきます。
合格率は上がってきている
図1は2007年~2023年の各科目の合格率推移です。赤線が4科目を合計した平均です。以前よりも合格率は右肩上がりになっていることが分かります。
年2回の試験になってから特に合格率が高くなった
また電験三種は年1回の試験でしたが、2022年から年2回の試験に変わりました。図2で2022~2023年に注目すると、それ以前よりもさらに合格率が高くなっていることが分かります。
以上から電験三種は以前より簡単になったと考えられます。
電験三種はどの科目が1番難しいのか?
では続いて科目ごとの難易度をみていきましょう。
受験者のリアルな意見では理論と機械
図3はX(旧Twitter)で「電験三種はどの科目が1番難しいか?」についてのアンケート結果です。
既に合格された方を含む受験者の感覚では、理論と機械が難しいという意見が多かったです。
実際の科目別合格率は?
では続いて客観的な事実から難易度を考えてみます。図4は2010年~2023年の各科目合格率の平均を比較したグラフです。赤線は4科目合計の平均合格率でこれが基準になります。
これを見る限り、難易度は難しい順に
- 機械
- 法規
- 理論
- 電力
となりアンケート結果とは異なります。なぜこうなったのかを考察していきます。
理論は勉強時間が十分な人は多い
理論の合格率が2番目に高くなった理由は、勉強時間を十分に取った人が多いからだと考えられます。
ネットでも本でも、理論をまずは勉強すべきという意見が多いです。そのため電験の勉強は理論から始める方がほとんどでしょう。しっかりと勉強した人が多いため、難易度は高いわりに合格率が高いという結果になったと考えられます。
法規は対策不十分で受験する人が多い
続いて法規は他の3科目と関連性が薄い科目です。理由は用語の暗記が多いからです。そのため少し勉強がおろそかになる人が多いのではないでしょうか?
これが難易度のわりに合格率が低くなった要因と考えられます。
やっぱり機械は1番難しい
最後に機械です。機械は難しく感じている人も多く、合格率も低く出ました。
難しいと感じる→勉強をしっかりする→でも合格できない
となる人が多いと思われます。よって機械科目が1番難しいと考えてよいでしょう。
難易度から考える電験三種の勉強方法
ここからは難易度を考慮して、どのように勉強を進めたらよいかを考えていきます。
まずは理論を勉強する
理論は他の科目の基礎になります。難易度も高いのでまずは理論に力を入れて勉強する。そして理論科目だけでも良いので科目合格を目指すのがいいでしょう。
理論の次は機械を勉強する
理論科目に合格できたら、次は機械科目の合格を目指すべきです。理由は最も難易度が高いからです。電験三種は合格した科目は3年間受験免除になります。
ですが機械科目は合格に手こずる可能性が高いです。よって最後まで残してしまうと機械に手こずる間に、他科目の合格がリセットされるループにはまる可能性が高いです。
難しいですが優先度を上げて機械に取り組みましょう。
電力、法規は並行して勉強する
合格率に差はあれど、電力と法規は比較的難易度が低い科目です。そのため並行して勉強して2科目同時合格を狙いましょう。
また電力と法規はわずかですが関連する部分があります。並行して勉強するのに相性が良いです。
勉強する順番の理想は理論→機械→電力&法規
以上からまずは理論合格を狙う。続いて機械合格。最後に電力と法規の同時合格を狙う。これが科目合格のリセットループにはまるリスクも少なく良い勉強方法と考えます。
【データ元】
“第三種電気主任技術者試験の結果について”電気技術者試験センター プレス発表資料
https://www.shiken.or.jp/press/index.html
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