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【電験三種】”単位”について問う問題の解説と考え方

電験を含む電気の勉強をするなら単位を意識して勉強すべきです。

単位が分かっていると以下のようなメリットがあります。

  • 公式が何を意味しているか分かる
  • 公式を思い出しやすくなるし、自分で導けるようになる
  • 計算結果が明らかにおかしい場合に気づける
  • そもそも電験では単位についての問題が出る場合がある

そこで、このページでは単位の意味と他の単位との関連性を分かりやすく説明していきます。

目次

電験ででてくる主な”単位”

電験ででてくる単位をリストアップしてみます。これらの単位が何を意味するのかについて解説します。

  • J(ジュール)
  • W(ワット)
  • C(クーロン)
  • A(アンペア)
  • V(ボルト)
  • Ω(オーム)
  • F(ファラド)
  • H(ヘンリー)
  • N(ニュートン)

J(ジュール)

J(ジュール)仕事(=エネルギー)の単位です。

また電気的に言えば電力量の単位です。次に説明するW(ワット)との違いをきちんと理解しておく必要があります。

J(ジュール)は仕事(=エネルギー)の単位です。電気的には電力量[kW・h]と関連があります。なぜなら電力量もエネルギーのことを指すからです。

電験においては電力量をJに変換できるようになっておくと役立つことがあるでしょう。

そこで電力量→Jの変換を以下に記載します。

①1W・s=1J
②1W・h=3600J
③1kW・h=3600000J

なぜこうなるか理解できるでしょうか?①がベースの考え方です。②はs(秒)がh(時間)に変わっています。

1時間=3600秒です。つまり1W・s×3600=1W・hになります。左辺に3600をかけたので、合わせるために右辺にも3600をかけます。よって1W・s=3600Jになります。

③はkが追加されています。kは1000です。②と同じように合わせるために右辺にも1000をかけます。

よって1kW・h=3600000Jとなります。

W(ワット)

W(ワット)電力の単位ですが。電力は単位時間当たりにする仕事の量を表します。※1単位時間とは1秒間のことなので、W(ワット)は1秒間当たりの仕事量を表します

そのためW(ワット)を別の単位で表すと、$$J/s(ジュール/秒)$$です。よってW(ワット)に時間を掛けると電力量になります。

よくある間違いが、1Wは何Jかを考えてしまうことです。Wは1秒間あたりのエネルギーであり、Jはエネルギー量なので変換はできません。

正しく考えるなら1kW・hは何Jか?です。電力[W]は電力量[kW・h]とは異なります。

この関係を他の単位で例えるなら電力は速度[m/s]であり、電力量やJ(ジュール)は距離[m]です。

これをきちんと理解しましょう。

補足ですが電力量はkWh(キロワットアワー)で表すことが多いです。これはある機器が1時間でする電力量(=仕事)を表します。これをJ(ジュールで表すなら、)W(ワット)は1秒間当たりの電力量ですから、$$1kWh=1\times10^3\times(60\times60)=3.6MJ$$となります。

(※1正確に言えば単位時間は1秒とは限りません。1分のときもあるし1時間のときもあります。これは何を基準とするかで決まり、例えば車の速度は普通km/hだから1時間が単位時間になっています。電気理論では1秒を単位時間とすることがほとんどです。)

C(クーロン)

C(クーロン)は電荷の単位です。

電気量の単位でもあります。これは次に説明するA(アンペア)を使って、$$A/s(アンペア毎秒)$$で表すことができます。

A(アンペア)

A(アンペア)は電流の単位です。

これはある面を1秒間に通る電荷の量を表します。つまり1秒間にある面を1C(クーロン)の電荷が通れば、その時の電流は1A(アンペア)になります。よってA(アンペア)を他の単位で表すと$$A(アンペア)=C/s(クーロン毎秒)$$になります。

V(ボルト)

V(ボルト)は電圧の単位であることはご存知かと思います。でも電圧の意味を理解すると電磁気が理解しやすくなります。

実は電圧はエネルギーを表します。正確には+1Cを移動させるのに必要なエネルギーです

よってV(ボルト)を別の単位で表現すると、$$V(ボルト)=J/C(ジュール毎クーロン)$$になります。

電圧はコンデンサを例にすると理解しやすいです。↓のページで解説しています。

Ω(オーム)

Ω(オーム)は抵抗の単位です。

オームの法則より$$抵抗=\frac{電圧}{電流}$$になるため、他の単位で表すと$$Ω(オーム)=V/A(ボルト毎アンペア)$$となります。

F(ファラド)

F(ファラド)はコンデンサの静電容量(キャパシタンス)の単位です。

これの意味はある1V(ボルト)の電圧をコンデンサにかけた時に、コンデンサに充電される電荷を表します。

もう少し簡単に言うと、1V(ボルト)をコンデンサにかけて、そのコンデンサに1C(クーロン)の電荷が充電されれば、そのコンデンサは1F(ファラド)になります。

よって他の単位で表すと$$F(ファラド)=C/V(クーロン毎ボルト)$$になります。

H(ヘンリー)

H(ヘンリー)はインダクタンスを表す単位です。

これの意味はやや難しいので単位は覚えて、インダクタンスを計算する公式から導く様にした方が良いかと思います。他の単位で表すと$$H(ヘンリー)=V・s/A(ボルト秒毎アンペア)$$となります。

N(ニュートン)

N(ニュートン)は力の単位です。

意味としては1kgのモノに力を与えて、どれくらいの加速度を与えられるか?というものです。もう少し簡単にいうと、1kgのモノに力を加えて、そのモノが1m/s2の加速度になれば、加えた力は1N(ニュートン)となります。

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