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設備の負荷率、需要率、不等率とは何かを図で分かりやすく解説

変圧器の容量は必要な電力の大きさに対してちょうど良い容量にする必要があります。

なぜなら容量が不足すれば必要な電力を供給できませんし、過大であれば変圧器本体や設置工事のコストが大きくなったり、効率が低下するなどでムダが生じてしまうからです。

ではちょうど良い容量を決めるにはどうすれば良いか?

適切な容量を算出するのに必要になるのが負荷率、需要率、不等率です。

このページでは、これら3つの率とは何かを分かりやすく図解します。

目次

負荷率とは?

負荷率は一定期間の平均需要電力を、その期間の最大需要電力で割った値です。

需要電力は一定ではなく常に変動しています。

例えばオフィスビルを例に1日でみると、日中は空調機が運転していて照明が点いているので使用する電力(需要電力)も大きくなります。一方で深夜は空調機も停止して照明も消えるので使用する電力(需要電力)は小さくなります。

この電力の変動を図で表すと↓の様になります。

需要電力の変動の例
図1 需要電力の変動

では図1に平均需要電力を記載し、最大需要電力に着目してみましょう。図2を確認してください。

最大需要電力と平均需要電力の違いの説明
図2 平均需要電力と最大需要電力

この平均需要電力を最大需要電力で割った値が負荷率です。式にすると↓になります。

$$負荷率=\frac{平均需要電力[kW]}{最大需要電力[kW]}$$

また平均需要電力が1日の平均なのか、1か月、もしくは1年の平均かで負荷率の呼び方が変わります。

平均需要電力が1日の平均→日負荷率

$$日負荷率=\frac{平均需要電力(1日)}{最大需要電力}$$

平均需要電力が1ヶ月の平均→月負荷率

$$月負荷率=\frac{平均需要電力(1ヶ月)}{最大需要電力}$$

平均需要電力が1年の平均→年負荷率

$$年負荷率=\frac{平均需要電力(1年)}{最大需要電力}$$

需要率とは?

需要率は最大需要電力を負荷の定格容量の合計で割った値です。

分かりやすく図を交えて解説します。

図3のようにある建物では空調機1台、照明5灯、夜間照明が5灯あり、定格消費電力は記載の通りとします。

ある建物の負荷と定格消費電力
図3 ある建物の負荷と定格消費電力

日中は空調機が運転して照明が点いています。また夜間では夜間照明のみが点いています。よって需要電力の変動は図4のようになります。

需要電力の変動
図4 需要電力の変動

図3と図4から分かるように、この建物の負荷の定格容量の合計は4kW、最大需要電力は3kWとなります。

よって需要率は75%と計算できます。

$$需要率=\frac{最大需要電力[kW]}{負荷の定格容量の合計[kW]}=\frac{3}{4}=0.75$$

普通の場合、照明を除いた負荷の消費電力は定格消費電力よりも小さくなります。理由は機器がいつもフルパワーで運転するわけでは無いからです。

そのため需要率は1より小さな値になります。

不等率とは?

不等率は負荷がいくつかあるとき、その負荷の最大需要電力の和を合成最大需要電力で割った値です。

式にすると↓になります。

$$不等率=\frac{各負荷の最大需要電力の和[kW]}{合成最大需要電力[kW]}$$

不等式は分母にくる値が何かが分かりにくいので詳しく解説します。

図5は変圧器1台から、3台の電動機(負荷)へ電力を供給している様子です。それぞれの電動機1台の最大需要電力は100kWで等しいのですが、需要電力の変動には違いがあり、グラフのようになるとします。

各負荷の最大需要電力
図5 各負荷の最大需要電力

各負荷の最大需要電力の和は300kWになります。

$$各負荷の最大需要電力の和=100+100+100=300kW$$

一方で合成最大需要電力とは、3台の電動機を統合した場合の最大需要電力です。

3台の電動機を統合して需要電力の変動をグラフにすると、図6の右側のグラフになります。このグラフの最大値が合成最大需要電力になります。

合成最大需要電力の説明
図6 合成最大需要電力

よってこのケースでは不等率は1.5になります。

$$不等率=\frac{300}{200}=1.5$$

通常は、複数の負荷があるとき、負荷の消費電力が最大になるタイミングは同時にはなりません。図5、図6のように最大になるタイミングにずれが生じます。

そのため不等率は普通は1以上の値になります。

負荷率、需要率、不等率の使い方

実務では負荷率、需要率、不等率は新設する変圧器の容量を決める際に用います

この3つの値は負荷の種類によって「ある程度このくらいの値になる」というのが実績データで分かっています。

負荷の種類とは、例えば自動車工場や製鉄工場、または住宅街など様々です。これらの負荷について、データがあり負荷率、需要率、不等率もある程度の目安の値があります。

変圧器を新設する際は、この目安の値を使って適切な容量を算出します。

目安の値は配電設計に関する書籍に載っていますので、興味がある方は読んでみてください。私は設計をするときは以下のような本を参考にしています。

編集:電気学会・工場電気設備調査専門委員会
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おわりに

本サイトでは電気に関してこのような初学者でも分かりやすい解説を行っています。

もしこれを解説してほしい!という要望や質問がありましたらお問い合わせかXのDMでご連絡いただければと思います。

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