マーレーループ法はケーブルの故障点を見つける方法の一つです。ケーブルにおいては故障点とは主に地絡した場所を指します。
要はマーレ―ループ法でケーブルが地絡した場所を特定できるってことです。
このページではなぜマーレーループ法で故障点を特定できるのか?について解説をします。
マーレーループ法とは?
そもそもマーレーループ法とは何か?を最初に説明します。
マーレーループ法はホイーとストンブリッジ回路を利用して、ケーブルの地絡点を見つける方法です。
ホイートストンブリッジ回路とは?
ではホイートストンブリッジ回路とはなんでしょうか?
ホイートストンブリッジ回路とは図1のような回路で、真ん中の電流計に流れる電流が0Aになるように抵抗を調整した回路です。
ホイートストンブリッジ回路では以下の式が成り立ちます。
$$\frac{R_{2}}{R_{1}}=\frac{R_{3}}{R_{4}}$$
なぜこの式が成り立つかは、このページの主題から逸れるのでここでは触れません。
(ご要望が多ければ解説ページを作成したいと思います。XのDMからご連絡ください)
このページでは電流計が0Aのとき、\(\frac{R_{2}}{R_{1}}=\frac{R_{3}}{R_{4}}\)が成り立つとだけ理解してください。
マーレーループ法の回路の組み方
では実際にマーレーループ法で故障点を見つけたいとなったら、どのように回路を組めば良いのかを解説します。
結論から言うと図2の回路を組みます。順を追って詳しく説明します。
故障した線と同じ長さの健全な線が必要
まずマーレーループ法を使うには、故障した線と同じ長さの健全な線が必要です。三相のケーブルであれば全部の芯線が故障するケースは少なく、3本のうち1本が故障するケースが多いです。
そのためマーレーループ法における健全な線は、故障した線以外の2本の線のうちどちらかを使います。
故障相と健全相を短絡する
故障した線と、健全な線はそれぞれ故障相、健全相と呼びます。
マーレーループ法では図3のようにこの2本の線を短絡します。
計器や電源をつなぐ
そして短絡した2本の線に計器や電源を図4の上段のように接続します。上段の回路をブリッジ回路として見やすく書き直したものが図4の下段です。
ケーブルの長さをLやLTで記載していますが、短絡線は短いので長さに含めず無視をしています。
マーレーループ法による故障点の特定方法
回路が組めたら真ん中の電流計に流れる電流が0Aになるように可変抵抗を調整します。
これはホイートストンブリッジ回路と同じですね。
電流が0Aになれば故障点までの距離を計算で求めることができます。導出を図5に書きます。
計算結果を見ると分かりますが、マーレーループ法では故障点までの距離がケーブルの亘長の何%の位置にあるか?が分かります。
よってあらかじめケーブルの亘長が分かっていないと故障点までの距離が特定できません。
このことに注意が必要です。
本サイトでは電気に関してこのような初学者でも分かりやすい解説を行っています。
もしこれを解説してほしい!という要望や質問がありましたらお問い合わせかXのDMでご連絡いただければと思います。
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