電験3種 各科目の解説
過電流保護:配線用遮断器とヒューズの溶断特性・配置ルール
「1.1倍に耐える」「1.6倍で溶断」「1.25倍で動作」…数字が多すぎて覚えられない、ヒューズと配線用遮断器の違いがよく分からない、そんな悩みを抱えていませんか?この記事では、過電流保護の仕組みを「なぜそうなるのか」から解説し、試験で頻出の数値を整理します。読み終わる頃には、溶断特性の表を丸暗記ではなく「理屈」で理解できるようになります。
この記事の結論:試験に出るまとめ
過電流遮断器の目的(電技第14条)
| 保護対象 | 防止する事象 |
|---|---|
| 電線・電気機械器具 | 過熱焼損 |
| 建物・施設 | 火災 |
低圧ヒューズの溶断特性(電技解釈第33条)
| 電流倍率 | 動作条件 |
|---|---|
| 定格電流の1.1倍 | 溶断しない(耐えること) |
| 定格電流の1.6倍 | 60〜240分以内に溶断 |
| 定格電流の2倍 | 2〜20分以内に溶断 |
配線用遮断器の動作特性(電技解釈第33条)
| 電流倍率 | 動作条件 |
|---|---|
| 定格電流の1倍 | 動作しない |
| 定格電流の1.25倍 | 60〜120分以内に動作 |
| 定格電流の2倍 | 2〜12分以内に動作 |
過電流遮断器の配置ルール(電技解釈第148条・第149条)
| 条件 | 過電流遮断器の設置位置 |
|---|---|
| 原則 | 分岐点から3m以下 |
| 許容電流が幹線保護の55%以上 | 制限なし(どこでも可) |
| 許容電流が幹線保護の35%以上かつ8m以下 | 8m以下ならOK |
過電流遮断器を施設してはいけない箇所(電技解釈第35条)
- 接地線
- 多線式電路の中性線
- 接地側電線(低圧電線路で電路の一部に接地工事を施したもの)
基礎の基礎の解説
なぜ過電流保護が必要なのか
電気回路に流れる電流が設計値を超える状態を「過電流」と呼びます。過電流が発生する主な原因は、短絡(ショート)と過負荷の2つです。
短絡(ショート)とは、電線の被覆が損傷して導体同士が直接つながったり、導電部とアースが直接つながってしまう状態(地絡)です。この場合、回路の抵抗がほぼゼロになるため、数千〜数万アンペアもの巨大な電流が一瞬で流れます。
過負荷とは、接続した機器の合計消費電力が電線の許容電流を超えてしまう状態です。定格を超える電流が長時間流れ続けることで、電線の温度が徐々に上昇していきます。
過電流が危険な理由は、電線の発熱にあります。電線に電流が流れると、その抵抗によって熱が発生します。発熱量は電流の2乗に比例するため(ジュールの法則:\(P = I^{2}R\)、電流が2倍になると発熱量は4倍になります。この熱で電線の絶縁被覆が溶け、最悪の場合は火災に至ります。
そこで、電気設備技術基準第14条では、過電流による過熱焼損から電線と電気機械器具を保護し、火災の発生を防止するために、過電流遮断器の施設を義務付けています。
過電流遮断器の種類
低圧電路に施設する過電流遮断器には、主にヒューズと配線用遮断器の2種類があります。
ヒューズは、過電流が流れると内部の可溶体(溶けやすい金属)が溶断して電流を遮断する、いわば「使い捨て」の保護装置です。構造がシンプルで安価ですが、一度溶断すると交換が必要です。
配線用遮断器(MCCB/MCB)は、過電流を検知すると自動的にスイッチが切れる保護装置です。ヒューズと違い、原因を取り除けばスイッチを入れ直すだけで再使用できます。現在の住宅やビルでは、こちらが主流です。
ここで疑問が浮かびませんか?「なぜ両方に細かい動作条件が規定されているのだろう」と。次の章でその理由を詳しく解説します。
専門的な解説:なぜこの数値なのか?
ヒューズの溶断特性を理解する
まず、低圧ヒューズの溶断特性を見てみましょう。電技解釈第33条第2項には、以下の条件が規定されています。
ヒューズの必須条件
- 定格電流の1.1倍の電流に耐えること
- 定格電流の1.6倍で60〜240分以内に溶断すること
- 定格電流の2倍で2〜20分以内に溶断すること
なぜこのような「1.1倍では溶断しない」という条件があるのでしょうか?
理由は電流の変動にあります。例えば電気機器は、通常定格電流を超えません。しかし負荷が重くなったりなどの原因で一時的に定格を超える場合があります。もし定格電流の1.0倍ちょうどで溶断してしまうと、正常な使用でもヒューズが切れてしまいます。そこで、1.1倍までは溶断しないという「余裕」を持たせているのです。
一方、1.6倍や2倍の過電流は明らかに異常です。ただし、いきなり遮断するのではなく、「どのくらいの時間で溶断するか」に段階を設けています。これは、短時間の過渡的な過電流(モーターの起動電流など)と、継続的な過負荷を区別するためです。
定格電流の区分と溶断時間(ヒューズ)
| 定格電流の区分 | 1.6倍で溶断する時間 | 2倍で溶断する時間 |
|---|---|---|
| 30A以下 | 60分以内 | 2分以内 |
| 30Aを超え60A以下 | 60分以内 | 4分以内 |
| 60Aを超え100A以下 | 120分以内 | 6分以内 |
| 100Aを超え200A以下 | 120分以内 | 8分以内 |
| 200Aを超え400A以下 | 180分以内 | 10分以内 |
| 400Aを超え600A以下 | 240分以内 | 12分以内 |
| 600A超過 | 240分以内 | 20分以内 |
この表を見ると、定格電流が大きいほど、溶断までの時間が長くなることがわかります。なぜでしょうか?
大電流用の電線は太く、熱容量(蓄えられる熱の量)が大きいため、同じ倍率の過電流でも温度上昇が緩やかだからです。逆に言えば、細い電線はすぐに発熱してしまうため、早く遮断する必要があります。
配線用遮断器の動作特性を理解する
次に、配線用遮断器の動作特性を見てみましょう。
配線用遮断器の必須条件
- 定格電流の1倍の電流で自動的に動作しないこと
- 定格電流の1.25倍で60〜120分以内に動作すること
- 定格電流の2倍で2〜12分以内に動作すること
ここで重要な違いに気づきましたか?ヒューズは「1.1倍に耐える」「1.6倍で溶断」ですが、配線用遮断器は「1倍で動作しない」「1.25倍で動作」です。
ヒューズと配線用遮断器の違い
| 項目 | ヒューズ | 配線用遮断器 |
|---|---|---|
| 不動作電流 | 定格の1.1倍に耐える | 定格の1倍で動作しない |
| 動作開始電流 | 定格の1.6倍 | 定格の1.25倍 |
| 短絡時動作電流 | 定格の2倍 | 定格の2倍 |
| 再使用 | 交換が必要 | レバーを戻せば再使用可 |
配線用遮断器の方が「敏感」に設計されているのは、繰り返し使用できるため、安全側に設定しても支障がないからです。ヒューズは交換の手間があるため、少し余裕を持たせています。
定格電流の区分と動作時間(配線用遮断器)
| 定格電流の区分 | 1.25倍で動作する時間 | 2倍で動作する時間 |
|---|---|---|
| 30A以下 | 60分以内 | 2分以内 |
| 30Aを超え50A以下 | 60分以内 | 4分以内 |
| 50Aを超え100A以下 | 120分以内 | 6分以内 |
| 100Aを超え225A以下 | 120分以内 | 8分以内 |
| 225Aを超え400A以下 | 120分以内 | 10分以内 |
| 400Aを超え600A以下 | 120分以内 | 12分以内 |
高圧ヒューズの溶断特性
参考までに、高圧電路に施設するヒューズの溶断特性も紹介します(電技解釈第34条)。
高圧包装ヒューズ
- 定格電流の1.3倍に耐えること
- 定格電流の2倍で120分以内に溶断すること
高圧非包装ヒューズ
- 定格電流の1.25倍に耐えること
- 定格電流の2倍で2分以内に溶断すること
高圧の非包装ヒューズは「2分以内」と非常に短い時間で溶断するよう規定されています。これは、非包装ヒューズはアークが露出しやすく、早期に遮断しないと周囲に危険を及ぼすためです。
過電流遮断器の配置ルール
なぜ配置ルールが必要なのか
過電流遮断器は、保護したい電線の「根元」に設置するのが基本です。例えば、幹線から分岐する細い電線を保護したい場合、その分岐点に過電流遮断器を設置しないと、分岐した電線に過電流が流れても遮断されません。
しかし、すべての分岐点に過電流遮断器を設置すると、コストや設置スペースの問題が生じます。そこで、電技解釈では「どこまで離れた位置に設置してよいか」のルールを定めています。
分岐回路の配置ルール(電技解釈第149条)
原則:分岐点から3m以下の箇所に施設
┌────────────────────────────────────────────────┐
│ 低圧幹線 │
└──────────┬───────────────────────────────────┘
│
│ ←ここが分岐点
│
┌──────┴──────┐
│ 3m以下 │
└──────┬──────┘
│
┌──────┴──────┐
│ 過電流遮断器 │
└──────┬──────┘
│
↓ 負荷へ(低圧分岐回路)
例外1:許容電流が幹線保護OCの定格の55%以上
電線の許容電流が、幹線を保護する過電流遮断器の定格電流の55%以上であれば、過電流遮断器の設置位置に制限はありません。分岐点から3mを超えてもOKです。
なぜでしょうか?分岐した電線の許容電流が幹線保護の55%以上あれば、幹線の過電流遮断器が動作する前に、分岐した電線が焼損する可能性が低いからです。
例外2:許容電流が35%以上、かつ電線の長さが8m以下
電線の許容電流が定格電流の35%以上で、かつ電線の長さが8m以下であれば、分岐点から3mを超える位置への設置が認められます。
これは、電線が短ければ短絡事故が発生しにくく、かつ35%以上の許容電流があれば過負荷に対する一定の余裕があるためです。
【分岐回路の過電流遮断器設置位置まとめ】
┌─────────────────────────────────────────────────┐
│ 分岐した電線の許容電流 ≧ 幹線保護OCの55% │
│ → 【制限なし】どこに設置してもOK │
└─────────────────────────────────────────────────┘
┌─────────────────────────────────────────────────┐
│ 分岐した電線の許容電流 ≧ 幹線保護OCの35% │
│ かつ、電線の長さ ≦ 8m │
│ → 【8m以下ならOK】 │
└─────────────────────────────────────────────────┘
┌─────────────────────────────────────────────────┐
│ 上記以外 │
│ → 【原則】分岐点から3m以下 │
└─────────────────────────────────────────────────┘
幹線の配置ルール(電技解釈第148条)
低圧幹線についても同様のルールがあります。
| 条件 | 過電流遮断器の施設 |
|---|---|
| 許容電流 ≧ 電源側幹線保護OCの55% | 省略可 |
| 許容電流 ≧ 電源側幹線保護OCの35%、かつ8m以下 | 省略可 |
| 3m以下で、負荷側に他の低圧幹線を接続しない | 省略可 |
| 上記以外 | 必要 |
過電流遮断器を施設してはいけない箇所
電技解釈第35条では、過電流遮断器を施設してはならない箇所を規定しています。
- 接地線
- 多線式電路の中性線
- 低圧電線路の接地側電線(電路の一部に接地工事を施したもの)
なぜこれらの線に過電流遮断器を施設してはいけないのでしょうか?
接地線は、漏電時に電流を大地に逃がすための「安全弁」です。もし接地線に過電流遮断器があり、それが動作して接地線が切れてしまうと、漏電した機器の外箱が危険な電圧のまま放置されてしまいます。
中性線は、単相3線式などで電圧のバランスを保つ役割があります。中性線が遮断されると、残りの2線間に異常な電圧が発生し、接続された機器が故障する可能性があります。
接地側電線も同様に、接地による安全確保の仕組みを維持するために、遮断してはいけません。
ただし、過電流遮断器の動作時に各極が同時に遮断される場合は、例外的に中性線への施設が認められます(電技解釈第35条第2項)。
よくある勘違い・つまずきポイント
勘違い1:「1.1倍」と「1.25倍」を混同する
ヒューズの「1.1倍に耐える」と配線用遮断器の「1.25倍で動作」を混同しやすいポイントです。
覚え方のコツ
- ヒューズは「1.1倍でも切れない」→「いちいち切れたら困る」
- 配線用遮断器は「1.25倍で動作」→「いつもより**25%**多いと動く」
また、ヒューズは「1.6倍で溶断」、配線用遮断器は「1.25倍で動作」です。配線用遮断器の方が「敏感」と覚えておきましょう。
勘違い2:「55%」と「35%」のルールを逆に覚える
分岐回路の配置ルールで、「55%以上なら制限なし」「35%以上なら8m以下」を逆に覚えてしまうケースがあります。
覚え方のコツ
- 55% = Go-Go(%が大きい) → どこでもGo(制限なし)
- 35% = %が小さい → 条件が厳しい(8m以下という制限あり)
勘違い3:「施設しない」と「施設してはならない」の違い
「過電流遮断器を施設しないことができる」(省略可)と「過電流遮断器を施設しないこと」(禁止)は全く意味が違います。
- 接地線、中性線、接地側電線には施設してはならない(禁止)
- 許容電流が55%以上の場合は施設しないことができる(省略可)
試験では、この違いを問う問題がよく出題されます。
勘違い4:高圧と低圧のヒューズ特性を混同する
| 種類 | 不動作条件 | 溶断条件 |
|---|---|---|
| 低圧ヒューズ | 1.1倍に耐える | 1.6倍で溶断 |
| 高圧包装ヒューズ | 1.3倍に耐える | 2倍で120分以内 |
| 高圧非包装ヒューズ | 1.25倍に耐える | 2倍で2分以内 |
高圧ヒューズは低圧より「余裕を持たせた」設計(1.3倍や1.25倍に耐える)であることを覚えておきましょう。
簡単な確認問題
問題1
低圧電路に施設するヒューズについて、次の( )に入る数値の組合せとして正しいものはどれか。
「定格電流の( A )倍の電流に耐え、定格電流の( B )倍の電流を通じた場合に溶断すること」
(1) A:1.0 B:1.25 (2) A:1.0 B:1.6 (3) A:1.1 B:1.6 (4) A:1.25 B:2.0 (5) A:1.3 B:2.0
解答:(3)
解説 低圧ヒューズは、電技解釈第33条第2項により、以下の性能が要求されています。
- 定格電流の1.1倍の電流に耐えること
- 定格電流の1.6倍及び2倍の電流を通じた場合に、規定時間内に溶断すること
選択肢(1)と(2)は「1.0倍」が誤り、(4)と(5)は「1.25倍」「1.3倍」が誤りです。これらは配線用遮断器や高圧ヒューズの数値です。
問題2
低圧分岐回路において、分岐点から過電流遮断器を3mを超える箇所に施設できる条件として、誤っているものはどれか。
(1) 分岐した電線の許容電流が、幹線を保護する過電流遮断器の定格電流の55%以上である場合 (2) 分岐した電線の長さが8m以下であり、かつ許容電流が幹線を保護する過電流遮断器の定格電流の35%以上である場合 (3) 分岐した電線の長さが3m以下であり、かつ許容電流が幹線を保護する過電流遮断器の定格電流の25%以上である場合 (4) 分岐した電線の長さが3m以下であり、1のコンセントからその分岐点に至る部分である場合(一定の太さの電線を使用)
解答:(3)
解説 電技解釈第149条では、分岐点から3mを超える箇所に過電流遮断器を施設できる条件として、以下を規定しています。
- 許容電流 ≧ 幹線保護OCの定格電流の55%:制限なし
- 許容電流 ≧ 幹線保護OCの定格電流の35%、かつ電線の長さ ≦ 8m:8m以下ならOK
選択肢(3)は「25%以上」としていますが、正しくは「35%以上」です。25%という数値は電技解釈には存在しません。
選択肢(4)は、コンセントやソケットに至る3m以下の部分に関する特例で、正しい内容です。
過去問解説
2023年(令和5年)上期 法規 問3
問題文
「電気設備技術基準」では、過電流からの電線及び電気機械器具の保護対策について、次のように規定している。
(ア)の必要な箇所には、過電流による(イ)から電線及び電気機械器具を保護し、かつ、(ウ)の発生を防止できるよう、過電流遮断器を施設しなければならない。
上記の記述中の空白箇所(ア)〜(ウ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
| 選択肢 | (ア) | (イ) | (ウ) |
|---|---|---|---|
| (1) | 幹線 | 過熱焼損 | 感電事故 |
| (2) | 配線 | 温度上昇 | 感電事故 |
| (3) | 電路 | 電磁力 | 変形 |
| (4) | 配線 | 温度上昇 | 火災 |
| (5) | 電路 | 過熱焼損 | 火災 |
何を聞かれている問題かの整理
この問題は、電気設備技術基準第14条(過電流からの電線及び電気機械器具の保護対策)の条文を穴埋め形式で問うています。過電流遮断器を施設する「目的」と「保護対象」を正確に理解しているかがポイントです。
使う知識・考え方のおさらい
電気設備技術基準第14条の規定内容を整理します。
過電流遮断器を施設する目的
- 過熱焼損から電線及び電気機械器具を保護する
- 火災の発生を防止する
施設箇所
- 電路の必要な箇所
「電路」とは、電気が流れる通り道全体を指す広い概念で、幹線だけでなく分岐回路なども含みます。「配線」は電線の敷設状態を指す言葉で、電路よりも狭い概念です。
解き方の手順
ステップ1:(ア)を考える
過電流遮断器は、幹線だけでなく分岐回路にも施設します。したがって「幹線」や「配線」ではなく、より広い概念である「電路」が適切です。これで選択肢は(3)か(5)に絞られます。
ステップ2:(イ)を考える
過電流が流れると、電線の抵抗によるジュール熱で温度が上昇し、最終的に過熱焼損に至ります。「電磁力」は過電流の影響というより、電流が流れる導体間に働く力の話であり、ここでは不適切です。これで(5)に確定します。
ステップ3:(ウ)を確認する
過電流遮断器の最終的な目的は、電線の過熱による火災を防止することです。「変形」は過電流による直接的な危険ではありません。
答えとその確認方法
答え:(5) 電路、過熱焼損、火災
電気設備技術基準第14条の条文を確認すると、「電路の必要な箇所には、過電流による過熱焼損から電線及び電気機械器具を保護し、かつ、火災の発生を防止できるよう、過電流遮断器を施設しなければならない」とあり、(5)が正解であることが確認できます。
試験での頻出度・類題で注意するポイント
この問題は、電技第14条の条文を直接問う基本問題であり、非常に頻出です。
類題として注意すべきポイント:
- 「過熱焼損」と「温度上昇」の違い:過電流による最終的な結果は「焼損」であり、「温度上昇」は途中の現象
- 「火災」と「感電事故」の違い:過電流遮断器は火災防止が主目的。感電防止は「漏電遮断器」の役割
- 「電路」と「配線」「幹線」の範囲の違い:電路が最も広い概念
この問題から学べることや得ておきたい視点
この問題から学べる最も重要な視点は、過電流保護の目的を正確に理解することです。
過電流 → 発熱(ジュール熱) → 過熱焼損 → 火災
この因果関係を理解していれば、穴埋め問題でも迷わず正解を選べます。また、電気設備技術基準の各条文は、それぞれ特定の危険(感電、火災、供給支障など)を防止するために規定されています。第14条は「火災防止」、第15条(地絡に対する保護)は「感電防止」というように、条文の目的を意識しながら学習すると、より深い理解につながります。
まとめ
この記事では、過電流保護について以下の内容を解説しました。
1. 過電流遮断器の目的
- 電線・電気機械器具の過熱焼損を防止
- 火災の発生を防止
2. 溶断特性・動作特性
- ヒューズ:1.1倍に耐え、1.6倍で溶断
- 配線用遮断器:1倍で動作せず、1.25倍で動作(より敏感)
3. 配置ルール
- 原則:分岐点から3m以下
- 55%以上:制限なし
- 35%以上かつ8m以下:8m以下でOK
4. 施設禁止箇所
- 接地線、中性線、接地側電線
過電流保護は電験三種法規科目の基本中の基本です。数値を丸暗記するのではなく、「なぜその数値なのか」を理解することで、応用問題にも対応できるようになります。
※この記事の内容は、電気設備技術基準および電気設備技術基準の解釈に基づいています。法規や技術基準は改正される可能性がありますので、試験を受ける際は最新の公式情報を確認してください。












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